le dimanche 25 novembre *ドメーヌ シモン・ビーズ
サビィニー・レ・ボーヌ Savigny les Beaune
Domaine Simon Bize et Fils
11月の頭にブルゴーニュへ行った時のことです。
渡仏後に、ブルゴーニュでワイナリーの当主を務めている女性の方がいると教えていただき、お会いしてみたいと思っていました。
ビーズ・チサさん。
日本のテレビ取材もこれまであったようなので、ワインに詳しい方ならご存知の方が多いようですが、これまで全然ワインについて知らなかった私は、もちろん存じ上げませんでした。
亡くなられた旦那さんの遺志を継いで「シモン・ビーズ」の5代目当主として、品質の高いブルゴーニュワインを世界に送り出していらっしゃる方です。
今回のブルゴーニュ旅でようやくドメーヌへ伺うことが実現しました。
Domaine Simon Bize et Fils
「ドメーヌ」とは、ブドウの栽培からワインの生産、出荷まで一貫して行う生産者です。
ちなみにブルゴーニュにはワイン生産に関して、ドメーヌとネゴシアンというものがあるようです。
「ネゴシアン」とは、買い求めたブドウからワインを生産して販売したり、ワインの原酒を買い取ってブレンドして販売する業者です。
短時間でしたが、蔵の中を見せていただきました。
チサさん自らワインの説明をしてくださいました。
こうしてタンクから直接ワインをいただけるなんて!!
日本からブルゴーニュのドメーヌ巡りのためにいらしていたワイン愛好家グループと、フランスで活躍されるソムリエの方たちの見学に同席させていただきました。
「どんな樽を使っていらっしゃるんですか?」
「○○年はこんなブドウだったから、ワインのできはどうですか?」
「○○の畑と○○の畑では、やっぱり味が違いますね〜」
など、みなさんのなさる質問が私には高度💨💨
さすがはワインにお詳しい方々!!
「吐き」が樽だなんて、さすがドメーヌ
テイスティングでいただいたワインはすべて飲みたいけど、味の違いが分からなくなるから飲まずに吐き出す・・・
分かっているけど、もったいない!!
こちらの畑が、チサさんが全て自らワインを育ていらっしゃるということで、一番思い入れのあるワインのとのことです。
見学の後は、2011年、2014年、2015年のワインをテイスティングさせていただきました。
「3年分のワインは常に確保しておきなさい。」
旦那さんであるパトリックさんのお母さんのお言葉だそうです。
1年分は銀行用、1年分は販売用、そしてもう1年分は家族で飲む用。
そうすることで、凶作の年でも乗り越えることができる、と。
そういった部分でも、ワインというものが資産の一つであるということを感じました。
ワイン製造はキャッシュフローがなかなかプラスにならないともおっしゃっていました。
たしかに、製造したワインの飲み頃が仮に5年後だと、今年造ってもそのワインの利益がでるのは5年後からかぁ〜
2014年の白
同じ畑のワインでも、年が違うと本当に味が違いました。
2014年の赤
苦味と味の芯の強さを大切に作っていらっしゃるそうです。
ブドウの木がウイルスにやられた場合、完治することはなく、ウイルスを完全に取り除くことはできないそうです。
だからと言ってその木を全て切ってしまうということはなく、ダメになってしまった木の部分だけくり抜いたり、症状が出ないように上手く付き合いながらブドウを作り続けていくと仰っていました。
その年ごと、そして畑ごとに個性があります。
気候やブドウの木の様子に合わせて、畑ごとにその時に必要な手入れをしていく。
それが良い結果になることもあれば、思わぬアクシデントで思うようなブドウにならないこともある。
ブドウが出来てもワインとしての完成はまだ先。
なんだか、教育や子育てと重なるところがあるなと感じました。
育てる側の願いや理想があるけれど、子ども達それぞれに個性があり、考えがあり、周囲の環境も影響する。
そんな中でそれぞれに応じて、良い方向に伸びて行けるようにサポートしていく。
あくまで成長していくのはブドウであり、子ども達である。
チサさんのお話をお聞きしていると、我が子のようにワインのことを愛し、大切にしていらっしゃることがとても伝わってきました。
また一つ良い経験をさせていただきました。